ドバイには政府系の投資会社がありますが、その政府系投資会社の1つ、ドバイワールドという会社が2009年11月下旬に多額の債務(590億ドル=約6兆円)の返済繰り延べを債権者に依頼したことでドバイの信用不安が起こりました。
ドバイというと超高層タワーなどのイメージがあると思いますが、このドバイワールドも228階建てというナキールタワー(旧アルブルジュ)を保有しています。※建設途中です
政府系投資会社には政府の保証があるといういわば暗黙の了解があったのですが、その政府がドバイワールドの債権者に対して、返済繰り延べをお願いしたことで、外資系の金融機関にとって衝撃がおき、ユーロ下落、安全資産の円買いが起きました。
そもそもドバイって原油の産出国でお金持ちなんじゃないの?
管理人も勘違いしていましたが、ドバイ自体からは原油はほとんど生まれません。
そもそもドバイ首長国はアラブ首長国連邦(UAE)に属していて、7つある首長国の1つにすぎません。
アラブ=原油で金持ちというイメージは、同じくUAEに属するアブダビ首長国など他の大量に原油を持っている国のイメージだったんですね。
ドバイは原油に依存しない経済発展を目指した
そんなドバイですが、お金持ちな国には変わりありません。
ではどうやって発展したかというと、海に面しているので港を発展させました。
また、空港も開発し、その地理的な優位性から中東の一大拠点に成長したのです。
そんなドバイが成長し続ける為には不動産開発・リゾート開発、観光事業の発展が欠かせないので次々と投資をしていった訳です。
しかし、2008年のリーマンショック以降、投資資金の引き上げや開発した不動産が想定した金額で売れなかったりして、経済は急激に悪化していきました。
そして、いくらお金持ちの国ドバイでもさすがにヤバイ・・という事で例のドバイワールドの債務支払い延期が起きてしまったんですね。
不動産は大きな物件であればあるほど完成するまでに年月を要しますし、また、すぐにお金に換金出来ないという点も資金繰りに影響したのかもしれません。
この点、FXや株はすぐ換金できるのでメリットになりますよね。
ドバイショックで市場はどうなった??
ドバイには世界中から投資資金が流れていましたが、特にヨーロッパの金融機関がメインでした。
結果、ユーロの価値が下落することになりました。
また、~~ショックが起きるとリスクマネーは安全資産に流れ込むので、当時相対的に安全と言われた日本円にもお金が流れました。
結果円高地獄になる訳です日本は。
他にも安全資産というと「金」がありますが、当然ドバイショックでも金の価値は上がりましたよ。
ドバイショックのその後はどうなった?
世界中に大きな衝撃をもたらしたドバイショックですが、リーマンショックほど有名でもありませんよね?
その理由の1つにドバイの経済規模が世界全体で見たらそんなに大きくないというのがありました。
そして、その後は、UAE(アラブ首長国連邦)の中央銀行が100億ドルの資金援助を決め、その中から41億ドルは期限が迫っていたナキールタワーの債務へ充て、残りを当面の運転資金とする事で沈静化に向かいました。
結局、オイルマネーで潤うUAEがバックにいるからなんとかなったって感じでしょうか。