ギリシャショックの流れを受けて、発生したのが欧州債務危機です。2010年に起こりました。
ギリシャの財政赤字が公表していた数字より何倍も大きかった事で、他のユーロ加盟国にも同様の疑いが持たれたのです。
主に疑われた国は頭文字をとって、PIIGSと呼ばれた国々です。
ポルトガル、アイルランド、イタリア、ギリシャ、スペインの5カ国です。
これらの国は財政がしっかりしているドイツなども加盟する単一通貨ユーロを導入する事で様々なメリットを受けて来ました。
例えば、国債を発行するにも、ユーロ加盟国という事で以前より高い信用力を得ました。
ユーロ加盟国の財政政策は各国主導であった
ユーロに加盟する事で通貨は当然ですが、ユーロになります。単一通貨です。
ただし、財政政策については、各国がバラバラに行っていました。
ここに単一通貨ユーロの問題があったのです。
緊縮財政をとっている国もあれば放漫な国もある中で、通貨はユーロ1つ。
そして、ギリシャショックが起こり、結果、その単一通貨ユーロの信用不安につながってしまいました。
同じ通貨を使っているからこそ、加盟国全てに波及してしまう訳ですね。
また、加盟各国で利害が対立することもあり、政策対応の遅れにつながりました。
先ほどのPIIGS諸国の中でも、ポルトガル、アイルランド、スペインはギリシャに続き、財政支援を受ける事になってしまいました。
このようにドイツやフランスなどの経済が発展している国でさえ、ユーロに加盟している事でこれらの国を救済する為に足を引っ張られてしまった訳です。
単一通貨は戦争をしない為というのもあるようなので、ユーロがなくなるというのはなさそうですが、色々と問題はあるんですね。
アメリカ、日本にも欧州債務危機は波及した
この欧州債務危機はアメリカや日本にも影響が出ました。
せっかく2008年のリーマンショックから立ち直りかけていたのに、欧州諸国に投資していた金融機関などが多くの損害を受けました。
その後は低迷の危機を乗り越え対策を着実に実行し、ギリシャ国債の格付けが引き上げられたり、ECBのドラギ総裁が「3年にわたる欧州危機は収束する兆しが増え、更なる金融緩和を行う計画はない」と言った事で問題は収束に向かいました。